ベッドの下に
中原鈴木は結婚指輪を探し回している。指輪は故人の母のものだった。死んだら指輪が鈴木のものになればいいと母はいつも言っていたが今いなくなったら指輪が見つからない。ずっと前から鈴木は指輪を見てもない、両親の別れから母も父も指輪を着用していないから。悲しみと悪くなった恋の印になったのかも。でも指輪が見つからなくていけない。母の遺言をちゃんと執行できたらダメな娘のことを多分埋め合わせるかもしれない。一週間鈴木はあっちこっち探していても全然無駄だった。やっと外祖父の家に着いた。指輪はここにないとどこでもなくて諦めるしょうがない。別れたばっかり時に二月間母は両親と住んでいたそうだけどここに指輪を残すなんて鈴木が思わなかった。家を探し始めた。台所と居間と屋根裏を探してしまった。ダメだった。やがては母の元の寝室。多分寝室で探しを始めたらいいのにこの部屋を避けた。母の死はまだ頭を飽和して悲しみから蓋を外したくなかった。鈴木は準備して入った。部屋を見ながらあまり悪い感じをしなかった。母を全く慕うけど。部屋のものは古くて見慣れていないし母の部屋の感じがしなかった。鈴木は部屋を探してしまった。やっとなんにかを見つけた。ベッドの下に箱があった。様々なものが入れていた。指輪が目を引いた。すごく輝いていた、美しい金色だった。鈴木は指輪を取って安心でうちに帰った。
- 24karitz
- May 8, 2023
- 1